NIKKEI NET(日経ネット):離職者の地方移住支援 総務省、農業・介護など就労促す: "総務省は2009年度から、都市で離職した若者などを受け入れる地方自治体を支援する。地方交付税の配分を手厚くし、自治体のあっせんで地方に移り住んだ人に年200万―300万円の生活費を支給できるようにする。移住者には地元で農業や介護などの仕事に従事するよう促し、人口減と景気悪化で深刻な打撃に見舞われる地方経済の活性化につなげる。初年度に全国で年間300人規模で移住者の支援に着手し、2、3年後に年1000人規模へ拡大したい考えだ。"これは大衆迎合ポピュリズム政策以外の何ものでもない。日本経済を歪曲させるだけだ。
何故ダメなのか? 理由:
- イナカに移住する人に年間2〜300万円を払うとのことだが、日本経済の労働需給を歪曲化させるものに他ならない。なぜ都会での有効求人倍率はイナカより高いのか。都会では人手が不足しているのである。すなわち貴重な労働力は必要とされる地域で使われるべきものなのである。年間2〜300万円ものインセンティブを付けられては誰もが本来経済的に労働力が必要とされていない地域に移住することは必至であり、更に労働需給のアンバランスが広がることとなる。
- これは新たなイナカへのバラマキ政策である。2〜300万円を貰ってイナカに移住した人は貯金できるのか。否、貯金は出来ない。貰ったお金は全部支出に回る。これで儲かるのは地元のイナカ企業なのである。総務省からのお金(都市貧民の税金)が彼らに回るのである。
- 農業への労働力の供給が目的だという。日本の農業就業者が多すぎることがニッポンの農業問題の根幹。少なくとも農業就業者数は三分の一にしない限り国際競争力云々の議論すら出来ない。それを何を血迷って「増やす」というのだ。
- イナカの介護に人を回すという。都会は介護就業者がいなくて困っている。イナカは失業者が多くて困っている。イナカの介護に都会の労働者を回せば、都会の高齢者もイナカの失業者も、どちらも困る。何を考えているのか。
- そもそも、日本のイナカには人が住みすぎ(↓)。この記事を熟読されたい。人が多すぎるイナカからどうやって人を都会に移住させるかが、現代ニッポンの国家的課題だ。総務省の政策はそれに逆行している。
「日本はイナカに人が住みすぎ」(冨山和彦): "日経ヴェリタスで今度の「新前川レポート」作成メンバーに選ばれた冨山和彦氏がいろいろいいことを述べている。メモ。"
鳩山邦夫大臣は、はっきり言ってポピュリスト。丸の内の東京中央郵便局ビルについてこんなことを言っている:
asahi.com(朝日新聞社):鳩山総務相「壊したのは国の恥」 東京中央郵便局視察 - 政治: "建築物として文化的価値の高いJR東京駅前の東京中央郵便局を鳩山総務相が2日午前、視察した。建て替え工事の準備作業が進んでいるが、鳩山総務相は「利益追求主義で重要文化財級の価値ある建物の一部を壊したのは、国の恥だ」と発言。改めて、日本郵政に再開発の中止を求めていく考えを示した。"
まさにアホである。あのビルの何が「文化的」価値を持っているのだ。石造りや木造ならまだ話は分かるが、殺風景な安普請のコンクリートの建物。東京駅前であの建物が一番「ミニクイ」存在だった。
鳩山邦男大臣はこれで大衆の人気が得られると思っているのだろうが、日本の大衆は鳩山邦夫が考えているほどアホじゃない。
6 件のコメント:
勘で動く御方だそうですから、当たるも八卦、当たらぬも八卦
当たるとすれば、ニッポン人は所詮「その程度」ということでしょうね。
あの方は、東京比例区から出ていたころは、エエ年こきながら蝶々を追っかけている(単にキモイだけの)中年オタクにとどまっていたのですが、選挙区を田舎に移して以来、人相の悪さに拍車がかかり、言うことも農協のオッサンのせりふのようになってきました。じっさい、あの味もシャシャリもないコンクリートビルが文化財なんて、審美眼がどうかしてるんじゃないと思いますね。ドイツへ行けばオフィス街に掃いて捨てるほど見かけるタイプです。風格でも大阪中央郵便局の方がはるかに上です。それにしても、もっと高くなるまで売らないという根性は、虫のコレクターの本質なんでしょうか。それとも塩漬けが好きな(見切りができない)農耕民族のサガなんでしょうか。
でも、日本建築学会の保存要望書がでてますよ。日付は2005年7月、総務大臣麻生太郎宛って、冗談みたいですけど。
http://www.aij.or.jp/scripts/request/document/050726-1.pdf
Wikipediaの「東京中央郵便局」の項目にも、
>>
、建築史的には、モダニズムのデザインが「文化財」として理解されにくいとされる。<<
ですって。どういうことなのかよく分からないけど、一応ご参考まで。
2DKの公団住宅も、建築学史的にはたいへん意味のある建造物。建築学的には画期的な「発明」だった。「文化財」として残しますか。
>2DKの公団住宅も、建築学史的にはたいへん意味のある建造物。建築学的には画期的な「発明」だった。「文化財」として残しますか。
いや、それに反論する能力はありません。ただ、普通の公団住宅では学会は動かないんじゃないですか。学会の主張は、建築学的な発明だから保存せよと言っているのではなく、近代日本のモダニズム建築として立派だから残せと言っているようなので。つまり、専門家がみるとあれは美しいんだそうですね。へーって感じですが。
背後関係がなにかあるならおもしろそうですけども、どうもよく分かりません。
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